10/6 22:19 更新

裁判官は、墓の中の天使の問いより軽い質問だと言った

10月1日夜の審理でのアルスル・サニ裁判官の発言

写真はイメージ Photo by Michael D Beckwith on Unsplash

10/3 01:09 / 発信国:インドネシア

副大統領の学歴を確かめるため、法廷は海外の大使館2か所をオンラインでつないだ

副大統領が学校をどこまで出たか。紙一枚、問い合わせ一本で片づく話に見える。インドネシアの憲法裁判所は、それを確かめるために海外の大使館2か所をオンラインで法廷につないだ。

2026年10月2日、画面の向こうにいたのは在シンガポール大使館の教育担当官ヌル・アエニ・アリヤンティ氏と、在キャンベラ大使館のユリ・ラフマワティ氏である。アリヤンティ氏は、大使館に保管されている書類は見つからなかったと述べた。入るときも出るときも同じかと裁判官に問われ、そのとおりだと答えている。ラフマワティ氏は紙と電子の両方の記録を調べたうえで、ギブラン氏からの申請は受けていないと述べた。名前が挙がった学校は、シンガポールのオーチッド・パーク中等学校と、シドニーのUTSインサーチ(現UTSカレッジ)だ。申立ては9月10日に出た。申立人は元法務人権副大臣のデニー・インドラヤナ氏ら12人、被申立人は選挙管理委員会である。

ここで「書類は存在しない」と読みたくなる。だが、大使館にないことと、どこにもないことは別だ。前夜に証人として出た元選挙管理委員会委員長ハシム・アシアリ氏が挙げた紙は、最初から別の棚にあった。2019年8月6日付で教育文化省が出した中等教育の同等性認定書と、その2日後に研究技術高等教育省が出した海外学位の同等性の決定だ。権限のある機関が出した書類は、反証がない限り正しいものとして扱う。行政法上そうなる、というのが当時の委員会の見方だったと同氏は説明した。つまり「ない」は「存在しない」ではなく「ここにはない」。法廷が量っているのは紙の在りかではなく、紙の重みのほうだろう。

天使が出てきたのは、その前夜

10月1日夜の審理は、妙な空気になった。アルスル・サニ裁判官はハシム氏に、質問は重いがと前置きして「墓の中でのムンカルとナキルの問いよりは、ずっと軽い」と言った。イスラムの伝承で、死者に問いを立てる天使の名だ。サルディ・イスラ裁判官は、そちらはナフダトゥル・ウラマーの人たちに任せようと受け流した。エニー・ヌルバニンシ裁判官は痩せたのではないかと声をかけ、ハシム氏は「今はむしろ、重荷がないんです」と答えた。

書類を保管した棚を写した写真
写真はイメージ Photo by Maksym Kaharlytskyi on Unsplash

ついでに言うと、天使の名を出したアルスル裁判官は、9月23日の審理で自分もUTSインサーチに通ったと明かしている。ただし3週間の英語コースで、ギブラン氏が受けたとされる高校相当の課程とは別物だ。そのうえで同裁判官は、ギブラン氏が修めた入学準備の課程がどの種類にあたるのか、選挙管理委員会にはっきりさせるよう求めている。紙一枚で終わるはずの話に、天使と、3週間だけの同窓生が出てきた。

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