10/9 17:49 更新

リュックの中に、
他人の免許証が約30枚

――駅の落とし物から

10/9 16:09 / 発信国:日本

駅に忘れたリュックに免許証約30枚 持ち主は神奈川県警の巡査長

8月下旬、神奈川県内の駅のホームに、リュックが一つ置き忘れられていた。拾った駅員が中を確かめると、他人の運転免許証が出てきた。それが、約30枚である。

なぜ、そんなものが入っていたのか。持ち主は、神奈川県警保土ケ谷署の20代の男性巡査長だった。飲食店で酒を飲んだ帰りだという。リュックは駅員の手で県警に渡り、そこで持ち出しが分かった。各社が10月8日の夜から9日にかけて報じた。

免許証は、どれも有効期限の切れたものだ。更新のときに市民から回収し、捨てるはずだった分である。集めたのは、巡査長が前に勤めていた港北署だった(時事通信)。県警の内規では、こうした免許証は、署の幹部が見ている前で裁断するところまでが決まりだ(毎日新聞)。巡査長は、その手続きを通さずに持ち出したとみられている。

何のために持ち出したのか

ここが、まだ分かっていない。手がかりとして報じられたのは、巡査長の所属だ。警備課だった。警備の仕事で見張っている相手の身元を調べるために、免許証が使われていたのではないか。そういう見方もあると、TBSが伝えている。県警は内部で調べるという。

では、誰かが困ったことになったのか。県警は、これまでのところ犯罪や不正に使われた跡は見つかっていないと説明している。リュックも免許証も、駅員の手から県警に戻った。ただ、もとの持ち主である市民にどう知らされたのかは、確認できた報道には書かれていない。県警は持ち出しの経緯と目的を調べ、巡査長の処分を決めるという。

同じ秋に、660万件が漏れていた

9月28日、パーク24が発表した。駐車場やカーシェアを手がける会社だ。不正アクセスで、会員の個人情報が最大およそ660万件漏れていた。中には、運転免許証や学生証の画像もあった。退会した人の画像まで、7年間ためていたという。

10月7日には、個人情報保護委員会が企業に注意を呼びかけた。言ったことは二つ。安全管理を見直すこと。それと、使い終わった個人データを残さず消すことだ。ことし7月から被害が増えている背景には、AIを使った攻撃がある可能性が高い。セキュリティ会社はそう見ているという(NHK)。

いらない情報は持たない。消す。いまの守り方は、そこが中心にある。免許証を裁断して捨てるという県警の内規も、紙でできた同じ考えだ。今回それを破ったのは、AIでも不正アクセスでもない。中にいた一人だった。

ネットの評判

ネット掲示板の書き込みを集めたまとめサイト「IT速報」には、神奈川県警という組織の体質の話に引きつけた書き込みが並ぶ。なぜ自浄作用が働かないのか、という問いかけもある。目的を推し量る声も多い。特殊詐欺の連中とつながっているのではないか、闇金に流したのではないか、小遣い稼ぎではないか、といった調子だ。ただ、県警は犯罪や不正に使われた跡は見つかっていないとしている。Yahoo!ニュースのコメント欄も伸びていて、10月9日午後の時点で、TBS NEWS DIGの記事に187件、毎日新聞の記事に49件が付いていた。

約30枚の免許証を見つけて県警に届けたのは、ホームにいた駅員だった。

出典

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