10/9 17:49 更新

点滴で酒を入れると、食事量が平均7%増えた

2015年の実験から

写真はイメージ Photo by Anastasiia Krutota on Unsplash

10/7 10:29 / 発信国:日本

ノンアルの店がほとんどない理由 下戸のバーテンダーの投稿が、満腹中枢の話になった

酒を飲めない下戸でバーテンダーをしている「ム」(@ywhd_matsu)さんが、ノンアルコールだけの店がほとんど存在しないのは売り上げが足りないからだ、とXに投稿した。投稿は2026年10月6日午前3時13分。投稿と返信をまとめたページ(Togetter)は、7日時点で閲覧数5万5,529、はてなブックマーク253件を集めている。

原文はこう始まる。「ノンアルの人も受け入れたいというのは下戸でバーテンダーやってるから死ぬほどわかるんだけど、店を続けていると」。そのあとに、「なぜそのような店がほとんど存在しないのか」がよく分かってくる、と書いた。

理由は注文の数だという。飲まない客は1杯で帰ることが多く、酒を頼む客は2杯目、3杯目と続く。採算については「1杯1500円+チャージぐらい取らないと元取れないんじゃないかな」。その値段のノンアルコールドリンクを高いと思わずに数杯飲み、定期的に通ってくれる人がどれだけいるのか、とも書いている。

返信欄は満腹中枢の話になった

バーのカウンターに置かれたノンアルコールの飲み物
写真はイメージ Photo by Ash Edmonds on Unsplash

返信欄は、ここから妙な方向に進む。1杯で帰るのは遠慮ではなく、体の側の事情ではないかという指摘が出たのだ。「アルコールを摂取すると満腹中枢が鈍くなるので何杯も飲むし食う。ノンアルは通常運転だから。」(@inusinotakuさん)。はてなブックマークにも「アルコールは体に吸われるけどソフトドリンクはお腹にたまる」(haruaki8107さん)とあった。どちらも投稿を読んだ人の見方だが、飲酒と食欲の関係そのものは研究されている。

米インディアナ大学医学校のグループが2015年に学術誌Obesityで報告した実験では、口から飲ませるのではなく点滴でアルコールを入れた。胃腸の働きの影響を除くためである。参加者は標準体重の女性35人。アルコールの日は食べ物のにおいに対して視床下部がよく反応し、その日に食べた量は生理食塩水の日より平均7%多かった。ただし約3分の1の参加者は、生理食塩水の日のほうが多く食べている。

2019年のBritish Journal of Nutrition誌のレビューは、22件の研究(計701人)を集め、うち12件をまとめて解析した。酒を飲んだ条件では、食事から摂るエネルギーが加重平均343キロジュール(約82キロカロリー)多かった。酒のカロリー分を食事で減らして埋め合わせる動きは見られない。論文は、アルコールが短期の食事量を決める満腹の仕組みを迂回しているらしい、と書いている。

酒の側に食欲のブレーキを緩める働きがある、という見方には根拠がある。ただし、どちらの研究もバーで何杯頼むかは調べていない。ノンアルコールの客が1杯で帰る理由そのものは、確かめられていない。

投稿者が「あまりにも正しい」と評価したのは、梅田にあるノンアルコールのバーだ。完全予約制で、時間制。何杯頼んだかで勘定しない店が、今のところの正解だという。

出典

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