10/6 22:19 更新

リアルターミネーター

旧型ロボットの処分をめぐって

写真はイメージ Photo by yasin hemmati on Unsplash

10/6 21:27 / 発信国:アメリカ

ロボットを溶かす仕事、声をかけた米国とメキシコの工場は全部断った 引き受けたのはフィンランドの1社

アメリカのロボット企業Figureが、旧型の人型ロボット「Figure 02」の大半を、フィンランド・イマトラの鋳造工場にある75トンの電気アーク炉で溶かした。9月30日に公開された映像には、鎖で炉へ降ろされていくFigure 02が映っている。言い出したのは、アーノルド・シュワルツェネッガーである。

発端は8月20日、Figureのブレット・アドコックCEOがXに出した投稿だった。本社に置く場所がなくなったので手放すしかない、ちゃんとしたお別れの案はないか、という内容である。これに、『ターミネーター2』でT-800を演じたシュワルツェネッガーが「溶かすのがいい」と返信した(GIGAZINEの訳)。

分解して部品を取る道もあった。だがFigureは公式サイトで、1体ずつ分解すると技術者の時間を取られ、次の「F.04」の発売が遅れると書いている。自社で開発したアクチュエーターの中身を外に出さずに済む、という事情もある。

断られた理由は、リチウムイオン電池

ここからは、工場側の話である。

Figureが声をかけたアメリカとメキシコの鋳造工場は、1社も引き受けなかった。電池を積んだロボットが高価な炉へ飛び込むのを、認めなかったからだ(公式サイト)。引き受けたのは、イマトラの工場だけ。Figureはこの会社を「世界で見つけられた唯一の場所」としている。

引き受けた側にも、譲れない事情があった。電気アーク炉は、3本の巨大な黒鉛電極で金属を溶かす設備だ。撮影に使えたのは24時間、溶解6回分である。1回につき20分。溶けた鋼の表面が固まり始めたら、そこで終わりだ。熱と電磁場のせいで、炉の周りに持ち込んだカメラや電子機器は次々に動かなくなった。

Figureのチームは、この工場に一度も行ったことがなかった。炉へ飛び込む動きは、サンノゼの本社でエアバッグを敷いて2階から飛び降りる練習とシミュレーションで作って持ち込んだ。炉から出た鋼は棒に固めてアメリカへ送り、今は記念品に加工している。値段と販売の時期は、出典では確かめられなかった。Figure 02は数台だけ、本社の倉庫に残っている。

映像の終盤、耐熱服を着たスタッフが、鎖でFigure 02を炉へ降ろす。その耐熱服の下から出てきたのは、シュワルツェネッガー本人だった。葉巻をくわえて「Hasta la vista, Figure 02」と言う場面で、映像は終わる(映像の描写はGIGAZINE)。

映画で、溶鉱炉に沈みながら親指を立てたのはロボットだった。今回、炉のそばで親指を立てていたのは、人間のほうである。

出典

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