10/6 22:19 更新

その商品名、
声に出して読まないで

――セルフレジの声まねに、80万のいいね

写真はイメージ Photo by noodle kimm on Unsplash

10/5 17:39 / 発信国:米国

米国でセルフレジ利用が1年で7ポイント減、店は点数制限と撤去に動いた

米国で、セルフレジを使う小売店の割合が1年で下がった。決済サービスのToastが2026年4月、米国内で16店舗以下を営むコンビニ・食品店・酒販店の経営層340人に聞いた調査で、使っていると答えたのは36%。2025年は43%で、7ポイントの減少だ。

理由は盗難だけではない。小売業でいう「シュリンク」は、客の操作ミスや商品の破損、在庫のずれも含む指標だ。

客がつまずくところ

ECR Retail Lossが2026年6月に公表した報告が、その中身を数字で示した。英レスター大学の犯罪学者マット・ホプキンス教授が主導し、小売39社が参加した調査によるもので、金額はユーロ建てだ。セルフレジのある店の損失は、ない店より33%高い。導入した店では、翌年の損失が平均22%増えていた。

件数がいちばん多いのはスキャン漏れで、取引の1%から4.8%で起き、1件平均2.50ユーロ。額がいちばん大きいのは、支払いが終わらないまま客が商品を持って出る「立ち去り」の1件平均88ユーロだった。

報告は客1,000人にも聞いている。年齢確認で引っかかることがある人が44.5%、「袋詰めエリアに予期しない商品があります」と出た経験のある人が39.3%。商品の破損が損失のどれだけを占めるかは、報告に独立した項目がない。

スーパーの棚に並ぶ値札
写真はイメージ Photo by Erik Mclean on Unsplash

「理由もなく大声」

不満は操作だけに向いていない。TikTokでは、セルフレジの声をまねた寸劇が80万4,600件のいいねを集めた(2025年12月の投稿、記事公開時点)。妊娠検査薬69ドルといった商品名と値段を次々に読み上げる芝居で、画面には「セルフレジは理由もなく大声」(訳)と出る。コメント欄には、音を消そうとしたら逆に大きくなって焦った、買い物の中身を周りに言い広められている、という書き込みが並んだ。報じたThe Daily Dotは、これらの体験を独自には確かめられなかったとしている。米国外の視聴者から、本当に商品名を読み上げるのかという質問も出たとも書いている。実機がどこまで声に出すのかは、出典では確かめられなかった。

Xには、自分でスキャンし終えたあとにレシートの確認を求められたとして、「レジ係の仕事を任せるほど信用したのに、帰る前に私の仕事を確かめるのか」という趣旨の投稿(訳)があった。店員に見られながら自分で作業するのが不快だ、見張られているようだ、という声もある。逆に、2、3点だけのときに列で待ちたくないという擁護もある。

店が出した答え

対応は、全廃よりも制限に寄った。Targetは全米で10点まで、Schnucksも10点までとし、Walmartは一部の店で15点までの制限を試した。Dollar Generalは2024年、約12,000店でセルフレジの一部か全部を店員が手伝うレジに替え、Five Belowも同年に縮小した。カリフォルニア州ロングビーチ市は2025年、対象を食品小売店とドラッグストアに限った条例で、15点までの制限と、稼働中に使える有人レジ1台以上を義務づけた。

技術から引いたわけではない。同じ調査では、今後12か月で技術への支出を増やすと答えたのが75%、前年は64%だった。いちばん伸びた道具は電子棚札で、46%と11ポイント増えた。Toastは、価格の変更を楽にする道具だと説明する。

同じ調査の中で、減ったのは客に操作させる機械で、伸びたのは店側が値段を書き換える棚札だった。

出典

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