10/6 22:19 更新

1000万円ほど、
下がったお客様がいまして

――仲介会社の営業部長が、テレビ番組で

写真はイメージ Photo by Ozgu Ozden on Unsplash

10/4 18:51 / 発信国:日本

首都圏の中古マンションに「ワニの口」 成約5か月減、在庫6か月増

テレビ朝日は10月3日の「グッド!モーニング」で、首都圏の中古マンションが売れなくなっていると報じた。売り出し価格は高いまま、実際に売買が成立した成約価格だけが下がっている。グラフの2本の線が開いていく形から、業界ではこれを「ワニの口が開く」と呼ぶ。東京23区の8月の中古マンション平均売り出し価格は、約1億3000万円だった。

成約は5か月連続減、在庫は6か月連続増

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の集計では、8月の首都圏の中古マンションは、成約件数が3,180件で、前年同月比10.5%減。5か月続けて減っている。在庫件数は8.2%増で、6か月続けて増えた。成約価格は2.8%の下落で、4か月続けて下がっている。

マネーポストWEBが8月18日に配信した記事によると、売り出し価格と成約価格の差は、首都圏で約30%に開いた。数年前は、売り出し価格が成約価格より1割ほど高いのが普通だったという。

番組では、仲介会社ファミリータイズの東知子営業部長が「きのう(売り出し)価格が1000万円ほど下がったお客様がいまして…」と話した。仲介業者の中根正勝経営管理部長は「もう少し金額的に落ちていかない限りは、需給のバランスが整わない」と述べた。

買い手の借入枠が、400万円縮む

売れない理由の一つは、買い手が借りられる額が減ったことである。番組の試算では、年収700万円の人が35年ローンを組む場合、金利が0.5%上がると、銀行の融資限度額は5646万円から5270万円に下がる。約400万円少なくなる。

金利は実際に上がっている。日銀は9月18日、政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げた。1995年以来、約31年ぶりの水準である。住宅ローンの比較サイト「モゲチェック」によると、10月は多くの銀行が変動金利を上げた。これは6月の利上げ分の反映で、9月の利上げ分は大半の銀行がこれから反映する。

東営業部長は番組で、困って売らなければならない人は値段を下げるが、資産として持っていて高く売れたらいいという人はなかなか下げない、と話した。さくら事務所の山本直彌社長は、マネーポストWEBで「高く売りたい売主と、高すぎて買えない買主の思惑が完全にすれ違っているわけです」と述べている。

口が閉じるのは、どちら側か

在庫が積み上がり、成約が減り、1000万円の値下げも出ている。ここだけ見れば、値段を決める側が売り手から買い手へ移ったように読める。ただ、成約価格の下落は2.8%で、30%に開いた差を埋める大きさではない。マンションリサーチの福嶋真司データ分析責任者は番組で「少なくとも成約価格が上がることは考え難い」と述べ、新規の売り出し価格が下がることでワニの口は閉じていくとの見方を示した。閉じるのは成約価格が上がるからではなく、売り出し価格が折れるからだ、という見立てである。

ネットの評判

番組の内容を伝えたYahoo!ニュースの記事には、800件を超えるコメントが付いた。日本の所得に対して価格が高すぎるので下がるのは当然だ、という指摘が目立つ。金利が上がって買える額が減ったのに、売り手が値上がり局面の感覚を引きずっているという見方も多い。修繕積立金や管理費まで含めれば慎重になるのは当然だ、という声も目立つ。

値下がりを待つ買い手が借りられる額も、金利が0.5%上がるだけで約400万円縮む。

出典

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