10/6 22:19 更新

ラーメン300店が、ハンバーガー29店に渡すもの

スガキコシステムズの公式リリース

写真はイメージ Photo by Jean-claude Attipoe on Unsplash

10/4 14:55 / 発信国:日本

1,000店を目指すスガキヤが子会社にしたのは、国内29店のドムドムだった

名古屋のラーメンチェーン「スガキヤ」を運営するスガキコシステムズが、9月30日付で「ドムドムハンバーガー」の運営会社ドムドムフードサービス(東京)を子会社にした。発表は10月2日、買収額は非公表。社名は変わらず、ドムドム側は藤﨑忍氏が代表取締役社長を続ける。ドムドムは1970年2月にダイエーが始めた、日本で最初のハンバーガーチェーンを名乗る会社だ。

スガキコシステムズはグループで約300店舗。目標は「1,000店舗チェーン」だから、700店足りない。では、迎えたドムドムは何店か。公式サイトの国内店舗一覧に並ぶのは、10月4日時点で29店。ほかに2025年10月から台湾にも出た。最盛期は約400店舗あったが、報道によれば2017年初頭にはその8分の1ほどに減っていた。700店の穴は、店数では埋まらない。

では何が行き来するのか。スガキコ側が渡すのは「財務面の包括的バックアップや多店舗展開のノウハウ提供」。受け取るのは「物販、マーケティング、テイクアウトといった」ノウハウと「自由な発想とブランド力」。公式リリースの言葉だ。どんぶりは紙袋に入らないが、ハンバーガーは入る。

「多店舗展開のノウハウ」を開けてみる

スガキコシステムズは、現場の工数と食品ロスを削るため、名古屋のトライエッティングが提供する予測AI「UMWELT」を店舗売上予測に導入している。2023年6月公開の導入事例で、スガキコ側の担当者は決め手について「人間と同等以上の店舗売上予測結果が得られたこと」「既存データのみで予測ができることもありがたいポイントでしたね」と語っている。自社の売上データだけで予測が立つなら、この道具を動かすのに麺のゆで方は要らない。渡せるノウハウが業態をまたげる形に寄っている、というのが筆者の見立てだ。

飲食店のレジ端末に表示された売上のデータ
写真はイメージ Photo by SumUp on Unsplash

ただし両社は、この子会社化の理由にAIもデータも挙げていない。この予測AIをドムドムの店に入れるのかどうかは、公式リリースと報道では確かめられなかった。

実際にやっていたことは、もっと地味だった。2025年12月に一部出資し、2026年1月のMBO(経営陣による自社株取得)に共同出資者として加わり、9月30日に株式の半分以上を取った。その半年で進めたのは、コラボレーショングッズの販売、管理部門の再構築サポート、営業教育のノウハウ共有である(同リリース)。

来春には両ブランドが初めて同じ商業施設に並ぶ。場所は非公表だ。ドムドムの公式サイトの役員一覧を見ると、代表取締役副会長はスガキコシステムズ社長の菅木寿一氏、取締役は同社会長の菅木伸一氏である。業態をまたいで最初に移ったのは、仕組みではなく社長だった。

出典

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