10/6 22:19 更新

3歳の子の隣は指定料2万円?!

消費者団体Which?の指摘

写真はイメージ Photo by Alexander Schimmeck on Unsplash

10/3 20:01 / 発信国:イギリス

首相が「ぼったくり」と呼んだ座席料 航空会社側は存在を否定

座席指定料は、窓側がいいとか足元が広いほうがいいとか、そういう好みに払う金だと思っている人が多いだろう。英国で禁止されることになったのは、その種類の料金ではない。3歳の子の隣に座るのにも値札が付いていた、というほうの料金だ。

英政府は2026年10月2日、航空会社が子どもの隣の席について座席指定料を取ることを禁止する方針を示した。14歳未満の子どもは、親か同伴の大人の隣に無料で座れるようになる。運輸省によると、子どもの隣の席を取るために往復で104ポンドを払う例がある。予約のつづり違いを直すだけで最大40ポンドという氏名訂正の手数料も、あわせてなくなる。

アンディ・バーナム首相の言い方は直球だった。親が子どもと一緒に座るためだけに金を取るのは「ずばりぼったくりだ」。ハイディ・アレクサンダー運輸相は一連の改正を「常識的な改革」と呼んだ。消費者団体Which? Travelのローリー・ボランド氏は、3歳ほどの子と一緒に座るためだけに追加料金を取るのは明らかに不公平だと指摘した。

ここまでは、よくある手数料の是正の話に見える。

禁止される料金は、存在しないらしい

ところが、取る側の言い分を読むと話が分からなくなる。

euronewsによると、ライアンエアーのマイケル・オリアリーCEOはこう述べている。「英国の航空会社には、子どもが親と一緒に座るための料金はないし、予約のつづりを少し直すための料金もない」。ジェット2とウィズエアーも、12歳未満は無料だと説明している。エアラインズUKのティム・オルダースレイド氏も、軽微な氏名訂正はすでに無料で、12歳未満の子どもと大人の着席は現行のCAA指針に従っていると反論した。座席を強制的に割り当てれば機内の段取りが回らなくなり、基本運賃に跳ね返るとも言う。

政府は往復104ポンドと言い、航空会社は、そんな料金はないと言う。同じ座席の値札が、あるかないかで割れている。

ただ、両方を並べると隙間が一か所見える。航空会社が無料と言うのは12歳未満、政府が無料にするのは14歳未満である。12歳と13歳の二つだけは、どちらの言い分も嘘にならない。すれ違いの理由の半分は、ここで片が付く。

残りの半分は片が付かない。ボランド氏が挙げたのは3歳で、航空会社の説明なら無料のはずの年齢だ。ない料金をどうやって払ったのかは、どの出典にも書かれていない。

しかも、この禁止はまだ効いていない。根拠になる「民間航空(消費者保護および規制改革)法案」は議会で審議中で、施行は来年の夏休み前が目標とされる。存在しないとされる料金の廃止が、法律になるのを待っている。

窓側か通路側かで迷っていた頃が、だいぶ平和な話に思えてくる。

出典

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